インスリンポンプ
糖尿病治療
注射器に代わる補充器具
便利で確実に体内に供給
人前で注射することが出来ない場合自動的に補充してくれる
「インスリンポンプ」が注目されています
インスリンポンプ療法は1978年に英国で開発され、米国では、現在
20万人以上の糖尿病患者が使用しています
国内では1979年、山梨大学医学部付属病院副院長、第3内科
(糖尿病・内分泌)の小林哲郎教授が初めて患者に使用しました
インスリンは膵臓の中の膵島(ランゲルハンス島)から
分泌され、ブドウ糖を栄養分として取り込む大切なホルモンです
膵島細胞が弱まったり死んだりしてインスリンの分泌が減ると
血液や尿の中にブドウ糖が多く残ってしまいます。これが「糖尿病」です
糖尿病にはインスリンが極度に欠乏している1型と、インスリンの欠乏と
効き方が低下している2型があります
1型では、インスリン補充療法が欠かせません
従来は1型は若年型といわれてきましたが、最近では成人後の発病も
珍しくなくなってきています
体の中では、常に微量のインスリンが供給される「基礎分泌」と食事や飲み物で糖分を取ったとき多量に供給される「追加分泌」が行なわれます。その働きによって血糖値がある一定の範囲内で
収まるよう調節されているわけです
糖尿病になるとインスリンの分泌量が減るので、微妙なバランス調整が
難しくなってきます
そこで、インスリンを補充する為に、1日2〜4回に分けて主にゆっくりと
吸収される持続型インスリンを起床時や食前、寝る前に腹部に皮下注射
をします
非常に効果があり、特に高血糖を改善するのに優れている反面
注射後に食事を取らないと、低血糖症に陥ることがあります
また、注射の手間や人目が気になるなど、不便な面もあります
高血糖状態が長期間続くと、網膜症で網膜剥離となって失明したり
糖尿病腎症で人口透析が必要になる
低血糖になると、低血糖症を起こし、動悸や加呼吸、震え、けいれんなどの
神経障害から、最悪の場合意識障害や異常行動、昏睡に到ることがあり
大変危険です
こうした注射の欠点を克服したのが、 インスリンポンプ といわれる機械による治療法です
(CSII インスリン持続皮下注入法)
本体は携帯電話ぐらいの大きさで、ポケットに入れたり、ベルトに付けたり
して持ち運びが出来ます
本体の中には小さい注射器のようなシリンジポンプがセットされ、その中に
吸収の速い速攻型インスリンが入っています
これがカテーテル(医療用の管)を通して腹部などに装着した軟らかい
針とつながっています
そして、あらかじめセットしておいた時間になると自動的に基礎分泌を
行なってくれるのです
食事の際の追加分泌は、食事量と時間に合わせて行います
シリンジポンプの交換は、使用する量にもよるが、大体3日に1回程度
使用するボタン電池の交換も月2回程度で、自宅で出来ます
血糖値が予測しやすく、安定している
インスリンポンプで使用するインスリンは即効型なので、血糖値が予測
しやすく、安定しているといわれます
就寝中でも微量を持続注入するので、注射で問題になる深夜から早朝に
かけてのインスリン切れによる高血糖を抑えることが出来ます
体調もよくなり、空腹感も出てくるそうです
値段は数十万円するため、患者個人や医療機関側の負担が重く
国内で使用している患者数は約3000人位で欧米に比べて少ないです
小林教中は「それでもこの1年間で約1000人位使用者が増えたと思います
メーカー側が赤字覚悟でレンタル制を始めた効果かもしれません。
ライフスタイルによってどうしても決まった時間に食事や運動ができない人に
適しています。低血糖症をたびたび起こす人や血糖値が300mg/dlを
何度も超えるような人は、検討してみるとよいでしょう」と語っていました